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2010年11月 7日 (日)

能面・能装束入門 第四回

今回は、それぞれの曲により使い分けられる能面の種類をご紹介。まずは、能面の代表とされる小面などの「女面」について。


・三番目~鬘物の曲に使用される面

■女面

 女面には多くの種類があり、役柄や身分、年齢などによって使い分けられている。
年齢的には10代「小面(こおもて)」、20代「若女(わかおんな)」「孫次郎(まごじろう)」、30代「増(ぞう)」「曲見(しゃくみ)」、40代「深井(ふかい)」、老人「姥(うば)」「老女(ろうじょ)」等がある。
 また、同じ面でも造作は千差万別。気位の高そうな顔もあれば、庶民のような顔の面もあるため、シテの感覚や好みで面は選ばれている。

■本面と写しとは

 「本面」と呼ばれるオリジナルな能面は、本来この世にただ一つしかない。同じ名前の面はいくらもあるが、それらは「写し」と呼ばれるいわば『模倣面』。模倣というと聞こえが悪いようだが、昔は本面を手に取ってみる機会などは皆無に等しく、せいぜい隣の部屋の床の間に掛かっている面を遠目に見る位しか許されなかった。ゆえに、写しには本面とは似ても似つかぬ面が多く存在する。しかし、それらの中には本面を凌ぐ評価を得た面も数多くあり、役者の好みで面本来の区分とは違う曲種の能に使われることもしばしばある。
本面は、今日の能面のオリジナルがほとんど創作された室町~安土桃山時代頃、写しは大半が江戸期の作である。

■シテと面

 能役者がシテを舞うときには、まず、自分が使う面を決め、それに合わせた装束と演出を考える。例えば「羽衣」を例に取ると、能本では、使用する能面は「小面・若女・増又は深井」と指定されている。面の選択はシテに委ねられているのだ。そしてシテは自分がどんなタイプの女性を天女にするかイメージを固め、面を選ぶことになる。小面なら清純な少女、若女ならほのかに色気のただよう美女風、増女なら高貴で神秘的なキャラクター、深井なら年配で愁いを含んだ女性…などなど。極端なことをいえば、「羽衣」の能面は必ずしもこの4タイプの面ではなくても構わない。しかし曲本来の構想を表現するには、自ずと選択の限度もあり、「深井」が使われることはほとんどない。

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