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2010年11月 2日 (火)

能面・能装束入門 第ニ回

・面打ちとは

能面を製作することを「面を打つ」という。七寸五分の檜の角材を材料として、古面からとった型紙をあてながら、鑿と彫刻刀で面を削りだしていく。出来上がった面に貝殻を細かく砕いた胡粉を塗り下地を整えた後、日本画の顔料を使って彩色を行う。彩色とともに古色をつけて古い面のような古びを出して仕上げる。

能面の製作は、各流儀の家元が所有する面の基本型となる「本面」や、将軍家や諸大名の所持した著名な面を写すことが慣習となっている。これらの面を「写し」という。各曲に使用される面や装束は能の約束事としてほぼ決められており、独創的な創作面は必要とされなかったことによるものである。

豊臣秀吉は能楽を愛好し、是閑吉満に「天下一」の称号を与えた。それにより能面の美術的価値が上がり、諸大名は能楽を愛好するとともに、茶器と同じく能面を収集するようになった。その後、徳川幕府の衰退にともない能楽もその影響を受け、明治時代の出目満守を最後に、世襲の面打ちの家は消滅してしまう。

・中間表情

無表情な人は「能面のよう」と表現されるが、能面には怒りや喜びなど瞬間の表情を捉えたものも多くあり、とても豊かな表情を持っている。
鬼神系の面は怒りの表情を刹那にとらえた瞬間表情となっている。女面は喜怒哀楽の特定の表情をもたず、一見無表情に見える中間表情をしている。しかし、面を上下にやや傾ける(照らす、曇らす)ことにより、笑ったり泣いたりと表情を変化させることが出来る。特定の表情を持たない為、さまざまな感情表現が可能となるのだ。長時間の舞台の使用に耐えるための工夫であろうか。
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