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2010年10月29日 (金)

能面・能装束入門 第一回

1237898 今回より、「能面・能装束」についての基礎知識を学んでいきたいと思います。
画像は、能の女面の最高傑作とされる、金剛流孫次郎作の重要文化財能面「孫次郎」。
初回は能面の定義と歴史についてざっと見ていきましょう。


・能面とは

能面は能において、主人公であるシテや助演者であるツレが使用する仮面である。面と書き、(おもて)と発音する。古くは神や鬼神・怨霊など、霊的な存在を表現するために使用されていた。のちに、演劇の素材として実在する人間や歴史的な人物をかたどった面も作成されるようになる。
能面は大別すると、翁・老人系・鬼神系・女面系・男面系・怨霊系に分類できる。小面(こおもて)や般若(はんにゃ)と言うように名称で分類すると、基本形は70種類程度。さらに白般若や赤般若・黒般若等、同一種を細分化すると、200種類以上あるといわれている。

・能面の歴史

能面は能と同様、室町時代に今日の形に発展・大成された。能面の起源とされる鬼神面が発生した鎌倉時代、猿楽(能)の劇内容もさほど複雑ではなかったため、面の種類も多くはなかった。鎌倉・南北朝時代の初期能面は、鬼神面・老人の面・男面・女面程度のシンプルな分類であったとされる。この時代の能面と能面作者について、世阿弥の『申楽談義』に以下のような記述がある。

「面の事。翁は日光打。弥勒、打手也。この座の翁は弥勒打也。(中略)近江には赤鶴(サルガク也)、鬼の面の上手也。近比、愛智(えち)打とて(中略)女の面上手也。越前には石王兵衛、其後竜右衛門、其後夜叉、其後文蔵、其後小牛、其後徳若也文蔵打の本打也。この座に年寄りたる尉、竜右衛門。恋の重荷の面とて名誉せし笑尉は、夜叉が作也。老松の後などに着るは、小牛也。男面、近比よき面と沙汰有し、千種打也。若き男面は竜右衛門也。出会いの飛出、この座の天神の面、大べし見、小べし見、皆赤鶴也」

時代的にいえば、これらの面打師は南北朝時代から室町時代の初期に活躍したと考えられる。能面の面打には、古く聖徳太子・弘法大師・春日など極めて実在性の薄い、神聖化された説話的な名も挙げられるが弘安年間(1278~1289)活躍した赤鶴がその最初とされている。面打師についての記録はこれ以降、室町時代をつうじてほとんどない。が、ようやく室町末期から桃山時代にかけて世襲面打家が輩出してくる。それをまとめて編纂されたのが、寛政七年(1795)喜多古能によっての「仮面譜」である。古能は面打師を次のように分類している。

一.神作 聖徳太子・淡海公・弘法
大師・春日
二. 十作 日光・弥勒・夜叉・文蔵・
龍右衛門・赤鶴・永見(氷見)・越智・
小牛・徳若 
三. 六作 増阿弥・福来・春若・宝来・
千種・三光坊
四. 古作 般若坊・真角・東江・千代
若・ヒコイシ・虎明・等月
五. 中作 愛若・慈雲院・宮野・財蓮・
吉常院・智恩坊・大光坊
六. 中作以後 角ノ坊・ダンマツマ・
山田嘉右衛門・野田新助・棒屋孫十郎
七. 世襲面打家 井関家・大野出目家・
越前出目家・児玉家・弟子出目家

なお現在では、作者の年代別に、第一
期(飛鳥~奈良時代)、第二期(鎌倉~室
町時代)、第三期(戦国時代)、第四期
(安土桃山~江戸時代)の四つに区分され
ている。

能面作者一覧表↓
http://bit.ly/9ETI93

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