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2010年10月24日 (日)

名言名句 第三十回 葬は蔵なり。『旧唐書』長孫皇后

長孫皇后は、中国唐二代皇帝太宗の皇后です。太宗の偉大な治世「貞観の治」を内助の功により支えた、中国史上もっともすぐれた皇后と目されています。
 隋大乱後の困難な皇業を内から支え続けた人生。貞観八年、三十四歳にて病を得、二年後三十六歳で亡くなりました。「葬は蔵(かくす)なり」は、臨終の床にあって、皇帝太宗に託した遺言の中のことば。『礼記』壇弓上篇からの引用です。「くれぐれも私の葬式は質素に」、これが長孫皇后人生最後の願いでした。またこの時、唐建国の功臣、房玄齢が太宗の怒りに触れ、自宅に謹慎していました。皇后はまずこのことから、太宗に後事を託そう、と次第に細くなる息で語り始めました。

「玄齢は、陛下にもっとも古くから仕え、細心で慎み深く、国家の秘策は一言も漏らしたことがありません。国に災いをもたらすということがなければ、玄齢を見捨ててはなりません。
また私の一族は幸いにも陛下の姻戚となりました。この関係は、よほど徳を積まねば危機を避けることがかなわないもの。姻戚として永く関係を保つには権勢の地位につけず、ただ外戚として儀式に参列するだけにしていただけましたらさいわいです。
私はもう生きてお役に立つことができません。しかし死んでも手厚い弔いはどうかご無用に。葬とは隠すこと(葬は蔵なり)。人に屍を見られなければ、それで良いのです。いにしえより聖人賢人はみな葬儀を簡略にしていますね。ただ道のない世でのみ、大きな山陵を作り、無駄な労力と費用を尽くして、世間の物笑いとなっているのです。私をただ、山に葬ってください。土盛りした墳など必要ありません。何重ものお棺もいりません。葬具はみな、白木と素焼にしてください。質素なお葬式、これが私の思い出となりましょう」
(『旧唐書』長孫皇后伝 長孫皇后)

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