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2009年12月30日 (水)

上手は学ぶ。玄祥と幽雪

能楽タイムズ1月号に、能楽人間国宝、片山幽雪師(旧名九郎右衛門)のインタビューが掲載されています。その中で某月、梅若玄祥師が自身「姥捨」を舞うに際して、片山幽雪師に助言を乞うたというエピソードがある。とても良い話なので以下に引用してお知らせします。

「玄祥さんにはことさら助言というのではなくとも『私はこう思います』とよく話したりします。あの人は、何でもすぐに受け入れてくれはるお人ですな。何べん言うてもそうもならん人もあります」片山幽雪

『風姿花伝』第三問答條々に、「上手は下手の手本、下手は上手の手本」という名言があります。もちろんこのお二人とも現代能楽界を代表する名人上手なのですが、初心のごとき稽古を何歳になっても、どんなに偉くなっても、虚心坦懐に続けておられる。

一時代前、宝生流の高橋進師が、流儀の先輩である近藤乾三師に「老女物の稽古を見てほしい」と頼んだ。一通り終わって乾三師が帰ろうとすると、高橋師「もう一度」という。仕方なくもう一度稽古を見て、さて帰ろうとすると「いや。なにとぞもう一度」と高橋師が手をついて懇願する。たまらず乾三師、「君はもういいよ(教えることは何もない)」といったという逸話があります。この時乾三師・進師はともに90歳過ぎ、ともに人間国宝だったのです。ひとつのことに生涯をかけて、打ち込み、学び続ける姿勢は、なにより尊いことです。

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