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2009年2月13日 (金)

日本人は、「畳に正座する」民族である。第三回 終

パラグラフ3【欧米人が見た畳と正座】

 E・S・モースの名は、日本人にとってはとても親しいもの。明治時代来日し東京大学で生物学を講じたアメリカ人。大森貝塚と縄文土器を発見した、日本考古学の大恩人です。日本の文化・風俗にも多大な関心を寄せ、広く海外に紹介しました。
最後に、モースが見た日本人の生活習慣の中で、「畳と正座」に関する一文をご紹介しましょう。

 日本人はいつも、踏石から入口の土間に、つまり屋内に入る前に下駄を脱ぐ。家の中でも靴を履いたままというのは、外国人が、よく日本人を不愉快にさせる、浅劣粗野なあれこれの流儀のひとつである。長靴や短靴の硬い踵だと、畳面に深い跡型をつけるばかりでなく、突き破ったりすることがある。しかし、幸いなことに屋内に入るにさいして靴を脱ぐという行為は、およそ外国人が受け入れることのできる習慣のひとつである。それは、屋内で靴を履いたままでよいのかどうか、見ればはっきりわかるからである。春とか雨が降り続く時とかは、畳は湿気を含んでかび臭くなる。したがって、日当たりのよい時には畳を取り出して、家の前にトランプ・カードのように並べ立てて干すのである。また、時々畳を取り出して、ほこりを取るために表面を叩くこともある。畳は、その性質上、全体が蚤にとって格好の隠れ家となる。蚤は、日本を旅行する外国人にとって、じつに耐え難い苦痛の種である。しかし、この厄介者も上流階級の私宅では滅多に姿を見せない。このことは、アメリカの似たような害虫の場合でも同様である。
 この畳の上で、日本人は食事を摂り、眠り、死んでいくのである。

 畳は、寝台、椅子、長椅子を兼ね、時には机の役も併せ兼ねる。畳の上で休息する場合、日本人は膝を折り曲げた姿勢を取る。つまり、双方の脚部を折り曲げて身体の下に納める。臀部は両こむらと両きびすの内側の上にのっかるようになる。足指は内側へ向いた形になるが、これは、内側へ仕舞い込んだほうの足の甲の上部が、直接に畳面に当たるようにするためである。老人では、畳に接する足の部分にたこができているのをよく見かける。このような事柄に関して、日本人の生活習慣についての知識がなければ、こんな部分の筋肉がどうして堅くなるのだろうかと訝るような目で見られてもやむをえないだろう。
 この端座の姿勢は、外国人にとっては相当に苦痛で、それに慣れるためにはただ練習する以外にない。日本人でさえ数年も外国暮らしをやると、端座する生活に戻ることがことのほかむずかしくなり、かなり苦痛のようである。

『日本人の住まい』斉藤正二訳 八坂書房 2004・4

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